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那須 昭一*; 永田 晋二*; 吉井 樹一郎*; 高廣 克己*; 菊地 直人*; 草野 英二*; Moto, Shintaro*; 山口 貞衛*; 大橋 憲太郎*; 野田 健治; et al.
粉体および粉末冶金, 52(6), p.427 - 429, 2005/06
酸化リチウムは核融合炉のトリチウム増殖材料の候補材料である。表面をアルミニウム,シリコン又はチタンの保護膜で覆った酸化リチウム単結晶とその上につけたタングステン膜との化学的両立性をラザホード後方散乱法より調べた。保護膜のない酸化リチウムでは573Kで1分及び623-673Kで1分の加熱でタングステンとの化学反応が見られた。一方、保護膜をつけた酸化リチウムでは、すべての試料について、573Kにおける1分の加熱で少量のタングステンが保護膜や酸化リチウム中へ拡散することが見られたが、その後の623Kから723Kの加熱において顕著な拡散は見られなかった。このことから、アルミニウム,シリコン又はチタン保護膜は酸化リチウムをタングステンとの反応から保護するために有用であると考えられる。
佐藤 聡; 落合 謙太郎; 堀 順一; Verzilov, Y. M.; Klix, A.; 和田 政行*; 寺田 泰陽*; 山内 通則*; 森本 裕一*; 西谷 健夫
Nuclear Fusion, 43(7), p.527 - 530, 2003/07
被引用回数:15 パーセンタイル:44.16(Physics, Fluids & Plasmas)原研FNSのDT核融合中性子線源を用いて、原型炉ブランケットに関する中性子工学実験を行った。ブランケット内トリチウム生成実験とシーケンシャル反応断面積測定実験を行った。「ブランケット内トリチウム生成実験」核融合原型炉の増殖ブランケット模擬体系積分実験を実施し、生成トリチウムに対する測定値と計算値の比較・検討を行った。モンテカルロ中性子輸送計算コードMCNPと核データJENDL-3.2による計算値は実験値より1.2~1.4倍過大評価であり、その原因解明のために、ベリリウムの(n, 2n)反応の二重微分断面積については再検討の必要性を示す結果が得られた。「シーケンシャル反応断面積測定実験」冷却水からの反跳陽子による冷却水配管表面のシーケンシャル反応率を、鉄,銅,チタン,バナジウム,タングステン,鉛に対して測定した。冷却水配管表面のシーケンシャル反応率は、材料自身のシーケンシャル反応率に比べて、一桁以上増加することを明らかにした。
谷藤 隆昭; 八巻 大樹; 高橋 正; 岩本 昭
Journal of Nuclear Materials, 283-287(Part.2), p.1419 - 1423, 2000/12
被引用回数:10 パーセンタイル:57.14(Materials Science, Multidisciplinary)71%TD-98.5%TDの嵩密度を持つLiO焼結体からのトリチウム放出挙動を2K/minの等速昇温加熱法により調べた。嵩密度71から86%TDまでの焼結体では放出ピークは約300であり気孔率依存性を示さなかったが、87-89%TDでは放出ピークは約340となり嵩密度の増大とともに高温側に移行した。さらに、嵩密度87%-98.5T.D.焼結体ではトリチウム放出のピークは430から760にわたり2-3個の放出ピークが現れ、大きな気孔率依存性を示した。以上のことからトリチウム放出の律速過程は次の三種類の放出過程であると推定された。(1)照射欠陥にトラップされたトリチウムがその欠陥の焼鈍に伴って放出される。(2)開気孔内壁への吸着・脱離を繰り返しながら連結気孔内を移行する過程。(3)閉気孔内にトラップあるいは蓄積されていたトリチウムの逃散が律速する過程。
石井 慶信; 村上 順一*; 伊藤 稔*
Journal of the Physical Society of Japan, 68(2), p.696 - 697, 1999/02
被引用回数:30 パーセンタイル:78.89(Physics, Multidisciplinary)本論文は、良質な酸化リチウム(LiO)を用いて反射ピークを測定し、励起子の存在を初めて見いだしたものの報告である。その結果、フォトンエネルギー7.03eVの位置で鋭い反射ピークを観測した。測定温度は15Kである。この反射ピークが非常に鋭く、強度が強いことから、これが励起子に依る反射ピークであることがわかった。また、反射ピーク中最も低いエネルギーを持つことから基礎励起(n=1)の励起であることも同時にわかった。さらに、7.75eVのところにn=2励起に相当する反射の飛び(shoulder)も観測された。これら観測したn=1,2励起のそれぞれのエネルギー値からLiOのバンドギャップ・エネルギーを決定することができ、その値は7.99eVであった。今までLiOについて励起子の反射スペクトルを観察した例はなく、また、バンドギャップ・エネルギーについて、きちんとした報告もない。今回測定したバンドギャップ・エネルギー値は酸化リチウムの電子構造を明らかにするうえで、理論との比較において非常に重要である。
伊藤 稔*; 村上 順一*; 石井 慶信
Physica Status Solidi (B), 213, p.243 - 251, 1999/00
被引用回数:12 パーセンタイル:57.1(Physics, Condensed Matter)本論文は、紫外線で良質の酸化リチウム(LiO)を励起した時に試料からの発光(ルミネセンス)を測定したものである。測定はおもにLiOの基礎吸収端近傍のエネルギー範囲で、20Kの低温で行った。その結果、3.70eVと4.75eVの2つの発光帯が観測された。この2つの発光帯はLiOのエキシトンの反射スペクトルエネルギー7.02eVよりそれぞれ低エネルギー及び高エネルギーの光で励起されたときに観測されることがわかった。また、発光スペクトルの強度及びそのFWHM値の温度依存性9Kから300Kまでの温度範囲で測定した結果、4.75eV発光は励起された自己束縛励起子の緩和過程に起因し、3.70eV発光は欠陥または不純物に関係することが明らかになった。さらに、4.75eV発光帯について得られた結果を自己束縛励起子の理論モデルと比較検討した。
八巻 大樹; 谷藤 隆昭; 野田 健治
Fusion Engineering and Design, 39-40, p.723 - 729, 1998/00
被引用回数:2 パーセンタイル:24.49(Nuclear Science & Technology)本研究では、中性子照射した酸化リチウム単結晶試料からのヘリウム放出挙動を観測した。熱中性子照射試料に対する等速昇温測定実験においては、いずれの試料も単一の放出ピークを観測した。このピーク温度は、単結晶粒が大きくなるほど、また中性子照射量が多くなるほど高くなった。このピークは単結晶粒内拡散律速によるものと考えられる。このことは、以前に行われた、酸化リチウム焼結体試料からのヘリウム放出挙動との比較からも裏付けられる。また、高速中性子で重照射(Li燃焼度5%)を行った試料からのヘリウム放出曲線は、大きな放出ピークの上に、いくつもの細かいピークが重なって観測された。このことは、重照射によって、試料中に細かいクラックが多数入っていることを示唆していると考えられる。
土谷 邦彦; 斎藤 滋; 河村 弘; 渡海 和俊*; 淵之上 克宏*; 古谷 武*
Journal of Nuclear Materials, 253, p.196 - 202, 1998/00
被引用回数:10 パーセンタイル:63.67(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉ブランケットで用いられるトリチウム増殖材として、リチウム含有セラミックスが有望視されている。特に、リチウム含有セラミックスの中で、酸化リチウム(LiO)が注目されている。一方、ブランケット設計の観点から、トリチウム増殖材の形状として、微小球が採用され各種製造法により微小球製造技術開発が行われている。製造法の中で、湿式造粒法が、大量製造性がよく、かつ、トリチウム増殖材の再処理の観点からも優れていることが明らかとなった。しかしながら、予備製造試験では、酸化リチウムの密度が55%T.D.であった。そこで、本研究では、湿式造粒法による酸化リチウム微小球の密度向上試験を行うとともに、酸化リチウム微小球の特性評価を行った。密度向上試験結果から、ゲル球の熟成温度変更、低焼温度の変更、熱分解温度の変更等により、目標値(80~85%T.D.)を達成することができた。
土谷 邦彦; 河村 弘; 小山田 六郎; 西村 一久*; 吉牟田 秀治*; 渡海 和俊*
16th IEEE/NPSS Symp. on Fusion Engineering (SOFE '95), 2, p.1123 - 1126, 1996/00
リチウム含有セラミックスが、核融合炉のトリチウム増殖材として有望視されており、酸化リチウム(LiO)が第1候補材である。LiOは、融点まで相変化しない、高密度、高熱伝導度等の優れた特性をもつ。また、ブランケット構造体の形状は複雑であり、増殖材を充填するためには、微小球の形状が望まれている。さらに、リチウム再処理の観点からも、湿式法(ゾル-ゲル法)による微小球の製造が有効である。本研究において、ゾル-ゲル法による微小球LiOの予備製造試験を行った。本試験結果から、ゲル球製造、ゲル球仮焼及び熱分解・焼結の各工程における条件が決定できた。
土谷 邦彦; 河村 弘; 淵之上 克宏*; 吉牟田 秀治*; 渡海 和俊*; 新保 利定
Fusion Technology, 2, p.1407 - 1410, 1996/00
リチウム含有セラミックスが、核融合炉のトリチウム増殖材として有望視されている。トリチウム増殖材として酸化リチウムが第1候補材であり、形状として微小球が望まれている。この微小球を大量に製造する方法として、湿式法(ゾルゲル法)が注目されている。さらに、本方法はリチウム再処理により回収されたリチウムを用いて再製造することが容易である。前回の予備試験ではLiO微小球の製造プロセスを明らかにした。本研究では、LiO微小球の高密度化試験を行った。高密度化としては、始発粉末(LiCO)の微粉化(40m1mに微粉化)及び仮焼条件の変更(600C400Cに減少)を行った。この結果、LiO微小球の密度は71%に向上することができ、高密度を有するLiO微小球製造の見通しを得た。
土谷 邦彦; 渡海 和俊*; 斎藤 滋; 淵之上 克宏*; 古谷 武*; 河村 弘
Proc. of 5th Int. Workshop on Ceramic Breeder Blanket Interaction, 0, p.191 - 199, 1996/00
核融合炉ブランケットで用いられるトリチウム増殖材として、リチウム含有セラミックスが有望視されている。特に、リチウム含有セラミックスの中で、酸化リチウム(LiO)及びリチウムタイタネイト(LiTiO)が注目されいてる。一方、ブランケット構造の形状は複雑であり、トリチウム増殖材を充填するためには、微小球が望まれており、各種製造法により微小球製造技術開発を行った。製造方法の中で、特に湿式法は、微小球の大量製造等の観点から、他の製造法と比較して有利である。また、リチウムリサイクルの観点からも優れていると考えられている。本研究では、高温ガス炉燃料の製造で技術確立しているゲル沈澱法を応用し、大量製造に適した湿式法によりLiO微小球及びLiTiO微小球の製造技術開発の現状について報告する。
Slagle, O. D.*; 倉沢 利昌; 高橋 正; Hollenberg, G. W.*; Verrall, R. A.*
Journal of Nuclear Materials, 219, p.265 - 273, 1995/03
被引用回数:4 パーセンタイル:43.23(Materials Science, Multidisciplinary)国際エネルギー機構(IEA)の下で行われているBEATRIX-IIの第1期,第2期照射の結果を順次報告するものの第3報である。今回は旧原研で製作したLiO試料について照射したデータを解析した。今回は特に照射量依存性を重点に調べ、照射量をパラメータにした実験式を求めた。この高速炉照射においてもトリチウム放出はスイープガス組成に強く依存する傾向がみられた。これらの結果の解析を試みた。今回の発表の主題は高速中性子照射環境下でLi燃焼度5%までの範囲でのトリチウム放出(LiO試料)への照射量依存性を明らかにした。
土谷 邦彦*; 河村 弘; 中道 勝; 今泉 秀樹*; 斎藤 実; 神澤 徹*; 長倉 正昭*
Journal of Nuclear Materials, 219, p.240 - 245, 1995/00
被引用回数:14 パーセンタイル:77.92(Materials Science, Multidisciplinary)リチウム含有セラミックスが、核融合のトリチウム増殖材の1つとして有望視されている。このリチウム含有セラミックスのうち、酸化リチウム(LiO)が、高いリチウム密度及び熱伝導度等の観点から、トリチウムペブル(1mm)の製造技術に関する研究が実施されており、溶融造粒法がペブル製造法の1つと考えられている。この方法によって製造されたLiOペブルの特徴及び製造技術の確立は、ペブルの大量供給及び核融合炉のコスト評価のために重要である。本研究では、溶融造粒法によって製造されたLiOペブルの単体特性評価を実施し、さらに、ペブル充填塔における質量移行特性評価を行い、モックアップ試験装置の設計に有用な特性データの報告を行う。
竹下 英文; 渡辺 斉*
Journal of Nuclear Materials, 208, p.186 - 190, 1994/00
被引用回数:2 パーセンタイル:47.65(Materials Science, Multidisciplinary)トリチウム増殖材料として研究開発が進められている酸化リチウム(LiO)では、水蒸気との化学反応性を定量的に把握することが効率的なトリチウム回収システムを検討する上で重要となる。このような観点から、本報ではブランケットの増殖材領域におけるトリチウムインベントリーの主要な要素である吸着インベントリーを評価するために、LiOに対する水蒸気の吸着挙動を調べたので、その結果について報告する。実験では、所定温度に保ったLiO試験上に一定濃度の水蒸気を含むキャリアガスを流し、下流の水蒸気濃度が入口濃度に等しくなったところで試料温度を階段状に昇降させ、試料により放出又は吸収される水分量を測定した。実験から水蒸気吸着は温度に対して可逆的であり、900K付近で溶解過程と競合していることが分かった。また、実験結果の解析から、水蒸気吸着量を温度の関数として評価した。
竹下 英文; 渡辺 斉*
Journal of Nuclear Materials, 208, p.219 - 222, 1994/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)トリチウム増殖材料である酸化リチウム(LiO)は、水蒸気と反応して容易に水酸化リチウムを生成する。増殖材料が装填されるブランケットからトリチウム(TO)を連続的に回収するためには、水酸化リチウム(LiOT)が生成しない運転条件を設定することが必要である。このような観点から、我々は水酸化リチウム(LiOH)の解離水蒸気圧を測定し既に報告したが、実際上必要なLiOTの解離圧は実験上の困難さもあるため報告は皆無であった。我々は、一般に水素を含む化合物では同位体効果が無視できないことを考慮し、解離圧に対する水素同位体効果を重水素化水酸化リチウム(LiOD)を用いて調べた。その結果、LiODの解離圧がLiOHより10~15%高いことを明らかにした。このことからLiOTの解離圧もLiOHより高いことが十分に期待でき、LiOHのデータを基に設定される運転条件は安全側であると言える。
倉沢 利昌; O.D.Slagle*; Hollenberg, G. W.*; Verrall, R. A.*
Fusion Technology 1992, p.1404 - 1408, 1993/00
このBEATRIX-IIはトリチウム増殖材の国際共同照射実験で日・米・加が参加して実施されている。この実験の目的は高速中性子照射下での酸化リチウムからのトリチウム放出特性と照射健全性を調べることである。Li富化度を変えた薄肉リング状酸化リチウム試料により、最大5%燃焼度までBEATRIX-IIをPhaseI,PhaseIIで照射した。トリチウム放出を照射下で測定し、スイープガス組成、照射温度の影響を調べた。そのトリチウム放出挙動は照射温度の上昇に伴って増加するがスイープガスの水素添加量を変えた場合ほどは大きく変化はしなかった。これらのことよりLiO中のトリチウムインベントリーは大きくないことがわかった。またPhaseI照射では照射期間が長くなるに従って放出水分量が低くなるがこれと連動してトリチウム放出量が下る現象がみられた。PhaseII照射ではスイープガス中の水素添加しない場合のトリチウム放出挙動を調べ、その挙動を解析している。
竹下 英文; 渡辺 斉
Journal of Nuclear Materials, 207, p.92 - 97, 1993/00
被引用回数:5 パーセンタイル:50.63(Materials Science, Multidisciplinary)酸化リチウム(LiO)は、セラミックス系トリチウム増殖材の代表的な候補材料のひとつであり、増殖材料として優れた性質を有している。ただし、LiOは増殖されたトリチウムの化学形のひとつである水蒸気と反応し、水素リチウム(LiOT)を生成する傾向を有する。したがって、トリチウムを効率的に回収するためには、LiOTが生成しないように操作条件を制御することが不可欠となる。このように、水酸化リチウムの平衡解離圧は、酸化リチウム・ブランケットの設計において基本的に重要な物性データであるにもかかわらず十分には確立されていなかった。本研究では、精度の高い測定手法を用いてブランケット設計に必要な温度範囲について平衡解離圧を求めた。また、測定データの熱力学的解析に基づいて、熱物性データベースとして広く受け入れられているJANAF Table中の水酸化リチウムに関するデータに問題があることを指摘した。
榎枝 幹男; 佐藤 聡; 倉沢 利昌; 高津 英幸
Proceedings of 15th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering, p.282 - 285, 1993/00
ITER増殖ブランケットとして、日本はペブル充填多層ブランケットを提案している。この型のブランケットの設計においては、増殖材,増倍材充填層の有効熱伝導度は重要不可欠な設計データの一つである。本研究では、実材料を用いて充填層有効熱伝導度の測定を行った。測定は、実材料である酸化リチウム,ベリリウムの1mm微小球約500ccを、外部加熱中心冷却式同筒型測定セルに充填し、ヘリウムガスを封入して行った。測定した結果、酸化リチウムについては、温度範囲約200C~650Cで約0.9W/mKの値が得られた。ベリリウムについても、温度範囲200C~450Cで既存の予測値と整合性のあるデータが得られ、ブランケット設計に必要不可欠な重要データを得ることができた。
石井 慶信; 長崎 正雅; 井川 直樹; 渡辺 斉; 大野 英雄
Journal of the American Ceramic Society, 74(9), p.2324 - 2326, 1991/09
酸化リチウム単結晶のラマン・スペクトルの温度依存性を80Kから1073Kまでの広い温度範囲にわたって測定した。80Kでは、ラマンシフトは529cmであり、その半値幅は4.5cmであった。1073Kではラマンシフト及び半値幅はそれぞれ464cm、116cmにも達し、大きな温度依存性が観察された。この強い温度依存性は酸化リチウムのポテンシャルの非対称性によるものと考えている。又酸化リチウムと同じ結晶構造を持つCaF,SrFの測定結果と比較・検討した。
倉沢 利昌; 渡辺 斉
Journal of Nuclear Materials, 179-181, p.851 - 854, 1991/00
被引用回数:13 パーセンタイル:78.38(Materials Science, Multidisciplinary)現在世界各国で原子炉照射下でのトリチウム放出実験が競っておこなわれている。しかしこれらの実験でのデータの一致は十分ではなく、その原因として照射材料の特性の違いと共に、表面における種々の機構の影響が指摘されている。本試験(VOM-31)では比表面積の異なる2種類の酸化リチウムを用い、450~800Cの温度範囲で、スイープガス中の水素添加量を最大1%まで変えて、トリチウム放出におよぼすこれらの影響を調べた。その結果、原子炉照射下トリチウム放出では固体内部でのトリチウムの拡散と共に表面での過程が重要であることが明らかになった。その両者の寄与を拡散と表面反応の比より比較する式を導入し、データ解析を試みている。これによりそれぞれの機構が優勢である温度とスイープガス組成範囲が明らかになると期待できる。
野田 健治; 石井 慶信; 松井 尚之*; 大野 英雄; 渡辺 斉
Journal of Nuclear Materials, 179-181, p.835 - 838, 1991/00
被引用回数:19 パーセンタイル:86.35(Materials Science, Multidisciplinary)酸化リチウムの電気伝導度を393~593Kの温度範囲で酸素又はリチウムイオン照射を用いた「その場測定」により調べた。照射中における伝導度は照射中断中のそれに比べると数倍から数10倍大きかった。また、照射中の伝導度は照射イオンフラックスとともに増加した他、温度にも依存した。照射開始、照射中断及びイオンフラックス変化時における伝導度の過渡的挙動を調べ、これに対する伝導度の反応は速いが、すぐには定常状態に達しないことがわかった。これらより、伝導の機構、照射欠陥、照射下における物質拡散現象について討論を行う。